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何かについてきちんと議論しようとするとき,使う言葉の定義をきちんと押さえておくことは基本だ.この振る舞いは,数学科の授業で嫌というほど叩き込まれた.
だが,何より難しいのが「定義」の定義だ.それには,いくつもの要因が絡み合っている.
- 日常語としての「定義」と数学における「定義」 がある
そして,数学における定義となると一意に決まるのかといえばそんなことはなく,実情は複雑である.
- 時代によって定義として捉えられているものが異なる
- 分野や場面によって同じ言葉でも定義が異なる場合がある
その上で,数学教育においては
- 文科省から,各用語の定義の内容が指導要領で指定されているわけではない
- 生徒の発達段階によっては教えるのに無理のある定義がある
といった具合である.
日常語としての定義と数学的な定義
日常語としての「定義」は,「意味」と同じぐらいのニュアンスで使われることが多い.辞書を確認してみよう.
てい‐ぎ【定義】 〘 名詞 〙 ( [英語] definition の訳語 ) 概念の内容や用語の意味を正確に限定すること。また、その命題や式。
出典 精選版 日本国語大辞典
多くの人が「何となくそうだと思ってた」と感じるような内容である.
お次は,もう少し詳しいこちら.
てい‐ぎ【定義】 [名](スル)
1 物事の意味・内容を他と区別できるように、言葉で明確に限定すること。「敬語の用法を定義する」
2 論理学で、概念の内包を明瞭にし、その外延を確定すること。通常、その概念が属する最も近い類と種差を挙げることによってできる。 デジタル大辞泉
それに対し,数学では,
日常語は「」でも述べたように,その言葉の外延の一部をたくさん知ったり,いろいろな内包を感じて言葉への理解を深めていく. 数学においても実際は同じような振る舞いで理解を進めることにはなるのだが,こと数学においては極端な話,内包的定義だけで外延が確実に決まる.
「aという性質を満たすものをAと定義する」という文言だけで,Aの気持ちがわかっていなくても,論理的に「◯◯はaを満たす.ということはAに含まれている.」といったことを考えることができる.
well-defined
客観性